熊田千佳慕展へ
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先日伊丹市立美術館へ行ってきました。
熊田千佳慕(くまだちかぼ)展を見るためです。
友人に誘われたのですが、当人が
「えっと、くまだ…くまだ、なんとかって人やねんけど、いかへん?」
などという具合でして、私自身も「くまだ」といわれれば
この人ぐらいしか思い浮かばない程
熊田千佳慕について無知だったのですが果敢に挑んでまいりました。
…良かった。本当に良かった。感じたことが多すぎて、きちんと表現出来ない。
絵の技巧が凄いのは見た瞬間「はー、すごーい」と伝わってきたのですがその後、
順路を進むにつれじわじわと。
彼の、描く物に対する愛に、おぼれそうになって。
途中、彼の書いた言葉なども展示されており
それを読んでうっかり泣きそうになりハッ、と思って友人を見ると
彼女は静かに涙をこぼしておりました。
私はとても優しいので「なぁ?泣いてんちゃん?なんで泣いてんの?」と、
自分の、緩んだ涙腺をぎゅっと結び直してにやにやと語りかけました。
「泣いてへんわ!」と彼女。でもほっぺ、ぬれてますよ(ニヤ)
さて熊田千佳慕氏は昨年98歳でお亡くなりになられました。
最後の最後まで、絵を、描いていたそうです。
***
彼が5年の歳月をかけて完成させたという
「みつばちマーヤの冒険」を買って帰りました。その時85歳。
あとがきに、この一節がありました。
「最も豊かな人生とは 遠い昔に過ぎ去った 少年少女の楽しい夢を
追いつづけることだと思います。」
人生はまだまだ、始まったばかりなんだ。そんな風に思いました。